2026
9/9
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【コラム】お墓参りの帰り道には、いつものアイス
地方の小さな町に、祖母が長年、大切に守ってきたお墓がありました。
そこには、祖母の夫である祖父と、祖母の両親が眠っていました。
祖母は毎月のようにお墓へ出かけ、草を取り、花を替え、墓石についた汚れを丁寧に拭いていました。ひと通りきれいになると、いつものように手を合わせます。
「おじいちゃん、また来たよ」
その声は、家で家族に話しかけるときと少しも変わりませんでした。
孫のSくんも、小さい頃は祖母に連れられて、よく一緒にお墓参りをしたものです。
小さな手で水を運び、祖母のまねをして手を合わせる。目を閉じている間に何を話せばよいのか分からず、そっと祖母の横顔をのぞいたこともありました。
帰りには決まって、近くのスーパーへ寄りました。
「今日はどのアイスにする?」
祖母にそう聞かれるのが楽しみで、お墓参りの日は、いつも少しだけ心が弾みました。
Sくんにとってお墓は、祖父たちが眠る場所であると同時に、祖母と過ごす穏やかな時間がある場所でもあったのです。


