2026
9/12
9/12
【コラム】寂しさも、家族で分け合いながら
家族は、その日から何度も話し合いました。
これから誰がお墓を守っていくのか。祖母が無理なくお参りできる場所はないのか。そして、祖父たちをこれからどのように供養していきたいのか。
すぐに答えが出たわけではありません。
祖母にも、長年通い続けたお墓を離れる寂しさがありました。Sくんも、子どもの頃からそこにあったお墓がなくなることを、なかなか受け止められずにいました。
祖父とのつながりも、祖母と歩いた時間も、一緒になくなってしまうような気がしたのです。
それでも、お互いの気持ちを少しずつ言葉にするうちに、家族の考えがまとまっていきました。
祖母が元気なうちに墓じまいをし、祖父たちの遺骨を、今よりもお参りしやすい場所にある永代供養墓へ移すことにしたのです。
新しい供養先には、家族で足を運びました。
祖母は静かに手を合わせると、隣に立つSくんに言いました。
「ここなら、また会いに来られるね」
その言葉を聞いて、Sくんの気持ちも、少しだけ和らぎました。


